夢と干渉

毎日ローテーションで同じ夢を見る。
一番最初は手についた洗い流せない血を必死に洗い流そうと延々と手を洗う夢
この夢の原因は知ってる。
見る度に洗い流せない事もその血は誰の血かと言うことも…。
手にベッタリとついた血は死んでいった親友の血だ、爪の間に挟まっているのは親友の肉片だ…。
本来なら洗い流したくない、それは俺の罪だから
親友を助けれなかった俺の罪
今でも遮断機の音を聞く度に思い出される。
「また明日な」って言って線路に身を投げてバラバラになった親友の姿を…。
ごめんな…


二つ目は肩車をしてあげて散歩をしている夢
幸せだった。
それも一気に奪われてしまった。
次のシーンで小さな壺に入ってしまったその子を家に連れて帰る場面…
今でも部屋にその子は居る。
家から…家族から放棄されたから…
最後の声だって覚えてる。
「ごめんね、先に行って待ってるからね?」
今でも時折疑問になる…。
俺なんかと居て幸せだったのかと…
ごめんな…


三つ目は自分自身の夢…。
自分が赤い血の羊水の中でナイフのへその緒がある姿
これは自分をナイフで滅多刺しにした時の記憶
この辺りからそれを幸福と感じてしまう…。


こう言った話をすると大抵の人から優しさを装った言葉や「何もしてやれなくてごめんなさい」などと言われる。
でも、それに対する対応は変わらない。
「いいえ、あなたは表情を無くしてしまった俺の詰まらない話を聞いてくれた。」と…。